UR-DBMSSyndrome Finder について

                 琉球大学大学院医学研究科 名誉教授

                             (遺伝医学講座)成富研二

 相次ぐ原因遺伝子解明や次世代シークェンサーの登場など、近年の分子遺伝学の進歩は、新しい遺伝医療の時代を予感させます。しかし、どんなに新しい知見や手技を獲得しても、その臨床応用の基本は診断力であり、臨床診断がつかなければどんな知識や遺伝子解析技術も臨床的観点からは宝のもちぐされになってしまうでしょう。


 小生が琉球大学に赴任した25年前は、日本における遺伝医学の創成期であり、また臨床遺伝分野には多数の珍しい疾患があるため、遺伝外来現場は診断不明の患者の山といった状況でした。そこで、少しでもこの現状を打破するために、パソコンの検索機能を有効利用した独自のデータベース作成を決意しました。


 UR-DBMS (University of the Ryukyus-Database for Malformation Syndromes) は、小生が1986年から作成しはじめた奇形症候群や染色体異常を中心とし、遺伝性疾患全般を含む遺伝性疾患総合データベースです。Syndrome Finder 2001年科研費を使って作成した、UR-DBMSの症状データから診断候補を検索するソフトウェアです。これらは現在も日本で最も使用されているデータベースとなっています。


 UR-DBMS1991年の初版公開から毎年改訂版の公開を継続しています。利用者からはWEB版を期待する声が多くありましたが、経費や技術的理由により実現できずにいました。このたび、平成21年度教育研究高度化のための支援体制整備事業が文部科学省により採択され、その一環として琉球大学よりURDBMS/Syndrome Finder WEB発信することになりました。これにより小生の長年の夢が実現することになったわけで、日本の遺伝医療に貢献できればと願っています。できる限り最新の情報を提供するよう努力する覚悟でいますので、ご利用を宜しくお願いいたします。


 改定作業は毎日OMIMPDFファイルなどを参考にして行っています。


平成224


User の皆様へ====退職のお知らせ======


 私,成富研二は,平成26331日をもちまして,29年間の琉球大学医学部での教員生活から退職することになりました。このデータベースは継続する予定でいますが,これまでどおりのペースで更新することができないかもしれません。これまで,IBM-5600でのデータベース作成とMacへの変換,さらにWINへの変換,Sydrome Finderのプログラミング,WEB公開および予算獲得に対して,多数の先生方 (東京医大/京都大学/お茶の水大・沼部先生, 函館保健所・渋谷先生, 琉球大学岩政学長),琉球大学図書館の皆様 (宗本さん),情報処理センターの皆様,NECの皆様に大変お世話になりました。深謝致します。

 WEB公開当時はSyndrome Finderユーザー数3,000人が目標でした。現在ユーザー登録2,400人でアクセス数も4,500/月となっていますので,まずまずではないかと思っています。記載は初心者には詳しすぎるかもしれませんが,できるだけ要約を掲載していますので,参考にしてください。


平成26312

琉球大学大学院医学研究科・遺伝医学講座

成富研二 拝


日本人患者の写真を掲載した参考書として,20158月南江堂から「新 先天奇形症候群アトラス改訂第2版」が出版されましたのでお知らせ致します。


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お詫びとお知らせ

 本データベースを提供しているサーバーは201111月中旬より某国よりサーバー攻撃を受け,12月より停止致しました。幸いなことに皆様のアドレスなどの個人情報は別のサーバーで管理していたため流出は逃れました。その後再構築について業者と交渉してまいりましたが,平成2436日にようやく再開する運びとなりました。

 停止中もデータ更新は継続してまいりましたので,データは最新のものであることを申し添えます。



追記 (平成27423)
 平成2241日の正式WEB公開開始以来、全国各地の先生方から多数のSyndrome Finder への登録の申し込みがありました。
1
)平成29829日現在の Syndrome Finder 登録医師数 4,251
2
DNA変異情報にSNPs情報を追加中ですが,いろいろ変更がありますのでご注意ください。

3Johns Hopskins大学のOMIMは平成23223日から update 情報の公開を中断していましたが,

  7月から再開しました。この間のアップデートの変更追加入力は終了しました。

4)従来提供していた専門家用の英語版は,現在提供を休止していますが,今回の事件で復活させました (実費)

  ご希望のかたは naritomi@med.u-ryukyu.ac.jpまでメールください。案内を返信します。

5Exome 解析などの普及により,最近急激に多くの責任遺伝子が発見・報告されています。

  OMIMに掲載された時点で追加しています。


UR-DBMS 開発の歴史と経過について

1986 IBM-5600 にてDataBoxを使って作成開始 (1,800 疾患)

  McKusick7/8版データ取り込み, Grouchy & Turleauデータ取り込み

19891990 City of Hope (LA) 留学 →Mac と出会う

1990 McKusick 9版データ取り込み (2,400 疾患)

1991 Macintosh IIcxへデータ移植に成功!

  BDE/LDDBデータ取り込み

1992 UR-DBMS 初版公開 (3800疾患) <山口での人類遺伝学会で展示>

1993 McKusick10版データ取り込み

  UR-DBMS2版公開(4,250疾患)

1994 McKusick11版データ取り込み

  UR-DBMS3版公開(4,350疾患)

1995 UR-DBMS3.1版公開 (4,600疾患)

  Gorlinデータ取り込み, Schinzelデータ取り込み

1996 UR-DBMS 4版公開 (4,970疾患)32MB

  OMIMデータ取り込み開始

1997 UR-DBMS5版公開 (6,000疾患) 100MB

1998 UR-DBMS6版公開 (6,300疾患)

1999 UR-DBMS7版公開 (6,600疾患)

2000 UR-DBMS8版公開

2001 UR-DBMS9版公開

 診断補助ソフトウェアGenDis 発売

 Gorlin 2nd Ed. データ取り込み

2002 UR-DBMS10版公開

2003 UR-DBMS11版公開

  Syndrome Finder 公開

2004 Syndrome Finder 2 公開 (UR-DBMS12)

2005 Syndrome Finder 3 公開 (UR-DBMS13)

2006 Syndrome Finder 4 公開 (UR-DBMS14)

2007 Syndrome Finder 5 公開 (UR-DBMS15)

2008 Syndrome Finder 6 公開 (UR-DBMS16)

2009 Syndrome Finder 7 公開 (UR-DBMS17)

2009.9  麻生内閣による文部科学省教育研究高度化のための支援体制整備事業に採択される (琉大総額5.4億円)

   図書館に1.2億円が配分される

   データベースWEB発信の予算化を立案

   委託業者はNECに決定 (1,200万円)

   WEB版用に改定作業開始

2010.4 図書館に本格的サーバを設置し公開を開始





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